貫通シャフト化

この記事の内容はリアサス周りの改修と同時に行った内容である。

ux-02-93.hatenablog.com

 

グース350のフレーム強化改造の定番といえば、左右独立のスイングアームピボットを一本のシャフトにしてサブフレームやスイングアームのヨレを低減する貫通シャフト化である。各社からキットが出ており、Kamoair氏のHPでも販売されている。

今回も前回同様に既製のキットではなく自作にこだわるという意地を張ってモノタロウで部品単位で購入した。寸法指定でほぼ欲しい寸法の部品が手に入って無加工で取り付けられるのだから良い時代である。

f:id:UX-02-93:20210327231449j:plain

SUS寸切

ワッシャ、スプリングワッシャやナットを通して完成である。締結トルクはサービスマニュアルと同じ値とした。

f:id:UX-02-93:20210327231820j:plain

ステッププレートの座ぐりには厚さ5mmのカラーを置いて周りとツライチにし、その上からワッシャとナットで締結した。これもモノタロウで買ったものを無加工ポン付けである。

f:id:UX-02-93:20210327232156j:plain

ステッププレートのカラー

ここまで以前のリアサスリンクロッドと合わせて作業して、Kamoair氏のキットがかなり原価ギリギリであることを知るのであった。

乗り心地については軽くワインディングを流してみると確かに中心に芯が一本通っているような感じがする。車体からの感覚のフィードバックがシャープになったように思う。

また、ステッププレートがナット一つで外せるようになったため、メンテナンス性が大幅に向上した。

わかりやすい点で言うと、以前のリアサスリンクロッドにせよ、組み付けるときにサイドスタンドで立てた状態だとわずかに穴がズレる箇所がある(ロッド上下やリアサスの下側など)。そういった箇所は、車体を揺すってやると入ったりするのだが、今回の強化でそういったサイドスタンドを立てた状態での横向きの負荷によるズレが低減されたように感じる(それでもズレるが)。フレームとは普段からこれだけヨレているものなのかと考えさせられる事象である。

しかし、グースという車種の設計段階でスイングアームピボットシャフトを左右分割式にしたのは何か理由があってのことだろう。当然、左右分割の方がフレームやスイングアームが意図的にヨレて力の逃げを作ることによって乗り心地を良くするなどの効果があるのはわかるし、貫通シャフト化によって本来逃がされるはずの力がダイレクトにフレームに加わってベアリング等の部品の寿命を縮めることになる可能性もある。

私自身、そんなに峠をバチバチに攻めるような趣味はない。このグースの用途の9割は街乗りである。しかしそれでも私はリアサスリンクロッドと合わせての改修に満足している。なぜなら自己満足なのだから。

 

 

ところで毎度リア足回りの作業は以下の写真のように木っ端と組み合わせてジャッキを掛けて作業している。メンテナンススタンドがあればなお良しだが、最悪サイドスタンドで立てたままでもできる。こうすることで、スイングアームピボットを片側ずつ抜く作業やリアサスを抜く作業も可能になる。(だいぶ前に撮った写真なのでリアタイヤが凹むほど強く掛けているが、実際は指で力を入れて回せる程度まで締め込めばリアサス周りの負荷を抜ける)

f:id:UX-02-93:20210327232545j:plain

ジャッキポイント