ステータコイル交換

ついにその日が来てしまった。

グース最大の持病、ステータコイル故障である。

遡れば昨年の夏頃から始動不良の症状が出ていた。最初は気温の変化によるものかと考えて加速ポンプを噴いたところ始動したので気に留めなかったが、症状は日に日に悪化し、ついに走行中にガス欠のような症状になったり、信号待ちでストールしたりするようになり、いくらキャブをいじっても改善せず、セルモータのOHまでしても解決せず、ついにセルモータでエンジンがかからなくなった。

症状をまとめると以下のようになる。

・セルモータでのみ始動不可
・押しがけを繰り返せば始動しないこともない(一発ではかからない)
・アイドリング始めて温まれば比較的安定する(安定するまでに異様に時間がかかる)
・エンジン停止直後数分ならセル始動できる
・セルでクランキングすると点火は飛ぶ(弱い)
・アイドリング中に稀にガス欠のような症状でストールする

仮にこれをステータコイル内のパルサコイルの故障と仮定すると、ここから推測できることは

・セル始動不可→セルの回転では遅く発電量が足りない。
・停止直後なら再始動可→CDI内のコンデンサに溜まった電力が放電するまでなら点火できる
・アイドリング中にストール→発電量不足?

・押しがけを繰り返せば始動する(押しがけでも必ず一発始動は"しない")→CDIに十分な点火電力が貯まるまで始動しない

とほぼすべての症状に説明が付く。

試しにステータコイルのカプラを抜いて端子間抵抗を測定してみると、茶-白線間のパルサコイルで360Ωと既定値の範囲外の値を示している。

これは間違い無い。

そこで新品ステータコイルをモノタロウで購入した。4万円ほどの出費である。

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交換作業自体はそこまで難しいものではない。

グースはドライサンプなのでオイルを抜かずにクランクケースカバーが開けられる。

剥がしたガスケットのカスがクランクケースの中に入らないようにすることと、スタータギアの組み付けミスにのみ気をつける。開けたときにバラけるワッシャはセルモータから数えて3軸目に、シャフトとカラーは4軸目に入る。

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一箇所工具が入りづらい箇所があった。かなり肉薄なディープソケットを使うか、ピックアップコイルをほんの少しニッパで削ると入る。(私は苦戦した挙げ句後者の手段を取った)

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次が無いことを願うばかりだが、プラスで外せるようにしておいた。

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組み付けてセルを回してみると、今までのグズり方が嘘のように一発で始動して、コールドにも関わらずアイドリングが安定している。

前回の転倒修理と合わせて購入から1年後しでやっと大きな整備は一段落といったところか。