フォークOH

最初にフォークが滲みはじめてからこの記事を書くまでに、2年の月日が経ち、予備フォークを1セット購入し、3回フォークをOHした。そんな話。

 

倒立フォークは下を向いて歯磨きしているようなもの。ブレーキダストを噛み込めば漏れてくるし、インナーチューブに対する摩擦が続けば掻き傷にもなる。

 

トップキャップを外すために、以前の転倒時に曲がったセパハンを付けているが、車体に付けている状態で少し緩めておけば良いということに気づくのは後の話。

また、ロッドに付いたナットやC字型のプレートを抜くのにスプリングを抜く必要があるのだが、ましてや廊下の両端にパンタジャッキで突っ張って外す必要なんか無いのだ。

外したインナーチューブはコンパウンドで軽く磨く。インナーチューブからブラケットを外して再メッキに出せないかと思ったが、トルクスがどうしても外せずに諦めた。

純正オイルシールは廃盤だが、NTBの汎用品FOH-15が使える。

フォークに新品オイルシールとダストシールを取り付け、組戻す(という流れだが、実際は予備フォークを組んでいる写真)。

このとき、サービスマニュアルに従ってオイルシールの内側にグリスを薄く塗ると動きが良くなる気がする。

また、インナーチューブにサークリップ、ダストシール、オイルシールの順で通し、シールを叩き込んでからサークリップをダストシールを乗り越えさせて内側に入れると、サークリップがカチャカチャ動いて叩き込み作業の邪魔になることがない。

グースのフォークを組むときに必要な長さの尺は14mm(ダンパーロッドのナット位置とアウター突き出し量)と99mm(油面)のみである。割り箸に端から14mm、(14+99=) 113mmでマーキングすることでオイルレベルゲージ、あるいは物差しとして使うことができるようになる(以下の写真は少し違う。)。写真のオイラーに規定油面の長さ分のマーキングをして、多めに入れたオイルを吸い出すことで既定値に合わせることもできる。

さすがにあれでスプリングコンプレッサ不要論を唱えるのは無理がある。そこで使うのはラッシングベルトだ。Sカンに引っ掛けて引っ張ることでスプリングを縮めることができる。ここで鉄製のSカンを使うとフック部分が伸びて広がってくるのでステンレス製がおすすめだ。

 

フォークを組んだ直後の動きの渋さは、先程述べたオイルシール内側のグリスでかなり良くなる気がする。

 

グースの場合インナーチューブが廃盤である以上、インナーチューブを以下に延命させるかが生命線だ。可能であれば再メッキをしたほうが良いだろう。ガンマ用倒立フォーク流用などの情報もあるが、いずれにせよ30年物のフォークを使っている時点で「持続可能性」もクソも無い。

状態の良い予備フォーク1セットを購入しておき、新品オイルシールを組んでおいてローテーションするのがおすすめだ。乗れない期間も最低限になる。

また、その他に月イチでフォークをウエスで拭ってシリコンオイルを塗ってやる優しさがあるとなお良いだろう。