シフトジョイント交換

レガシィのシフトジョイント交換でディーラーと一悶着あったときのメモ

 

BL5レガシィの2.0GT Spec.BというグレードはMTであれば6速ミッションを搭載している。

この次の世代のレガシィからシフトレバーはワイヤーリンケージになるが、この代のレガシィWRXはジョイントブッシュを介してリンケージを押す方式だ。

スバル車の持病として、このブッシュが摩耗してくるとシフトレバーのガタが大きくなってくる。

 

私が買ったレガシィもその症状が出ていたので、交換を依頼しにスバルの正規ディーラーに持ち込んだ。

しかし、STIのパフォーマンスパーツであるショートストロークレバーが入っていることを伝えると、車をリフトに乗せて状態を確認したうえで返ってきた回答は「単体交換不可。シフトロッドとのASSY交換になるが、STIパーツが入っているためシフトリンケージ全交換。ジョイントはリンケージに付属している」だった。

そんなわけはない。

BLレガシィ用のSTIシフトリンケージ自体はレバーとロッドのアッセン部品であり、ジョイントは別であるはずだ。

www.sti.jp

シフトジョイント自体は3000円程度の部品だが、その交換に3万5000円の見積もりを出されてはたまったものではない。

確かに後期D型はジョイントとロッドが一体である。

ジョイント単体が出なくても、コンプルを分解してジョイントだけ使用してもらえればいい。

STIでそういった仕様の部品が販売されている以上、それを取り付ける公式の手順が存在するはずだ。

この見積もりの通り、ギヤシフトレバー6MT"だけ"を交換した場合、症状に無関係なシフトリンケージだけが交換され、症状の原因であるジョイントが交換されないことになる。

周辺部品ごとASSY交換されるのは納得するが、周辺部品"だけ"交換されて目的の部品が交換されない見積もりに10倍の値段を吹っ掛けられて黙っていられない。

ディーラーの営業担当がASSY交換の根拠としていたは次の通りだ。

 

1.STIのHPの商品写真を見るとリンケージのロッドの先にジョイントが付いている。

2.パーツリストの図を見ると、後期D型はロッドとジョイントがASSYであり、その間はピンがカシメられていて分解不可能。実車を見てもカシメられていることがわかる

 

とのことだった。

私は、1について、STIのHPの商品写真の隅に「ジョイントコンプルは付属しません」と注意書きがある旨を指摘したが、「ディーラー経由でSTIにも問い合わせた結果だ」と聞き入れられなかった。

私はこの場は見積もりだけ受け取って一旦引き下がった。

 

 

暫くの間、一般の整備工場でも同様の整備ができないかと連絡を取ったりしていた。

しかし、STIシフトが入っていることを伝えると、それを理由に入庫を断られてしまった。

STIパーツはOEMなども出ていないため、スバル正規販売店以外では扱えないというのが理由だった。当該箇所にSTIパーツは関係無いはずだが…

 

 

しかしここで事態が大きく動く。

この見積もりが出てから数日の間に、なんとSTIのHPの商品写真がしれっと入れ替わったのだ!私は毎日のように商品写真を見ていたので気づくことができた。現在はロッドの先にジョイントが付いていない写真になっている。

根拠としている1について、他のWRXなどのシフトはジョイントが付いていない写真が使われていて、BP/BLレガシィだけジョイントが付いている点が少し不思議に思ったのでSTIに以下の点を問い合わせてみた。

・BP/BLレガシィSTIシフトにジョイントは付属するか

・最近商品写真が入れ替わったがどういうことか

すると次のような回答が返ってきた。

車両に付いている部品流用前提、つまり分解が可能ということだ。

やはり私の指摘が正可能性が高くなった。

 

また、根拠2としている点についても、確かに後期D型はジョイントとロッドがASSYなのは理解できた(前期はバラらしい)。

だが、ピンのカシメという点については納得できなかった私は自分で車の下に潜って確認してみた。

明らかにフランジナットが見える。つまりボルトで締結されているのだ。

簡単に描かれていて何だか分からないパーツリストはともかく、ディーラーの営業担当の説明にあった「実車をリフトで上げて確認した。ピンがカシメられている」は真っ赤な嘘ということになる。

最終的にこの件が決着するまで5回も来店し、何度も電話とメールでやり取りしてきたが、これまで無意味に店まで足を運び、無意味に車をリフトに乗せていたことになる。

この営業担当個人との協競協議では埒が明かないどころか問題をもみ消されて結局問題が解決しないまま金だけを取られそうな気がしたので、東京スバルのその販売店の総合問い合わせアドレスも一緒に宛先に入れて写真をメールで送った。個人ではなく、店に現状確認の不備と見積もりの誤りの責任を問うた形になる。

 

すると再び来店してほしいという連絡があった。

来店して改めてこの写真を見せて説明をしたが、それでも営業氏は納得しなかった。

そして営業氏はこう言った。

「とりあえず部品センターにSTIシフトを発注したので、それを見てから考えましょう」

ほとほと呆れ果てる。その日は何も進展が無いままただ無為にガソリンを消費してディーラーに行き、何もしないまま帰宅したのだった。

一緒に出てきた若い営業は申し訳なさそうな顔をしていた。

 

一人のスバル車好きとしてスバルという自動車メーカの名誉のために言っておくが、メーカとしてのスバルと販売店としての東京スバルは別会社だし、営業にも色々な人がいて、こんな17年落ちの車にも親身になってくれる人もいれば、今回のようにいい加減な対応をしてくる人もいる。今回はハズレを引いてしまった。それだけだ。

 

そしてBP/BLレガシィ用のSTIシフトが到着したという連絡を受けて再来店した。

開封の状態で、私と担当メカニックと営業担当2名の立会のもと開封するというのだ。

出てきたのはジョイントが付属していないシフトリンケージ一式だった。

 

これですべての答えが出た。

STIの商品説明は誤ってはいないが分かりづらかった

・営業氏がパーツリストの図を信じてASSY交換と言った対応は間違っていないが、それ以外の部品構成についての確認作業を怠り、間違った説明を客(私)に対してした

というのが問題だったのだ。

 

2022年の6月頃からこのやり取りが始まり、9月に決着するまで3ヶ月を要した。

一度はもう何もかもが嫌になって、ショールームの床に寝転がって泣きわめきながら暴れたい気持ちにもなったが、最後まで感情的にならずにこちらの主張と相手の誤りを理解してもらえるよう働きかけることができた。

結局、落とし所としてジョイント単体で出る前期AS型の部品流用での修理ということになった。

10月が1年点検だったのでついでに申し込み、この話は終わる。

 

私としては一度惚れたEJ20ターボを初めて自分の物にできたこの車には並々ならぬ愛着があるし、車としての形を保っている限りは乗り続けたいと思っているので、主治医たる整備工場選びなどは慎重に進めていきたい。

餅は餅屋で正規販売店に持ち込めば良いというものでもないというのは大きな学びだった。

 

疲れた。